週刊誌から from weekly magazine 2004 2 25

ニューズウィーク日本版 2004 3.3

「ドイツが欲しがるハーバード」

「第2次大戦が始まるまで、
ドイツの大学は、世界一だった。」

「今は違う。ドイツの大学に昔の面影はない。」

「第2次大戦後のドイツは、
社会制度にも、
教育制度にも、
徹底した平等主義を採り入れてきた。」

「入試や授業料は何十年も前に廃止された。」

「どこの大学を卒業しても、同じ扱い。」

「大学の運営方法は法律で厳しく決められていて、
かつての名門校も、まるで役所の延長だ。」

「学生が教員を評価するアメリカ式のやり方は、
競争や圧力のにおいがすると嫌われてきた。」

「諸悪の根源は、こうした官製の平等をよしとする風潮だ。」

「大学同士を自由に競争させればいいのに、
なぜか、官僚的な解決策ばかりが打ち出される。」

 大学は、その国の未来を映す鏡です。
 ここにも、共産主義の亡霊があったのですね。
共産主義においては、
社会をユートピアにするという目標がありました。
 しかし、共産主義は、人間の悪しき習慣を見落としていた。
人間の悪しき習慣とは、「怠ける習慣」である。
 基本的に、競争がなければ、人間は怠けて、楽な方向に流れます。
これは、ローマ帝国の頃から同じです。
 すべての人が、エジソンのように勤勉ならば、
共産主義は成功したでしょう。
 プロテスタント(ピューリタニズム)は、
禁欲と勤勉をすすめ、世俗の職業を重視しました。
これが、イギリスの産業革命の精神的基盤となりました。

















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